2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500766
|
Research Institution | Gifu Women's University |
Principal Investigator |
小川 宣子 Gifu Women's University, 家政学部, 教授 (30139901)
|
Keywords | 鶏肉 / 白色レグホン種 / 烏骨鶏 / おいしさ / グルタミン酸 / 抗酸化性 / カルノシン |
Research Abstract |
獣鳥類から生産される肉や卵などの食材は、獣鳥類の種の違いによっておいしさや生理作用が異なることが考えられる。種の違いに基づく食材の特性を明らかにすることにより、その食材のより有効な利用方法、食べる人の身体状況に適した種の選択方法を示唆することができる。そこで本研究では、獣鳥類の種の違いが食材のおいしさや生理作用に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。 本年度は、代表的な卵用種である白色レグホンと中国で古くから薬膳に利用されている烏骨鶏の鶏肉を用いて、鶏肉のおいしさに関与するアミノ酸の構成に違いがあるのか調べるとともに、生理作用として抗酸化性の違いについて検討した。 鶏肉は内臓を除去した後、凍結乾燥した粉末試料を用いた。試料を塩酸加水分解後、アミノ酸分析システムによりアミノ酸濃度を求めた。抗酸化性は、10%試料溶液をDPPH法によりラジカル消去率を算出するとともに、抗酸化性成分としてHPLCによりカルノシンを測定した。 その結果、烏骨鶏の肉、白色レグホンの肉のアミノ酸ともにグルタミン酸,グリシン,アスパラギン酸,アルギニン,アラニンの順に多い結果となった。いずれのアミノ酸においても、烏骨鶏の肉の方が、白色レグホンの肉より多かった。烏骨鶏の肉は白色レグホンの肉よりグルタミン酸が多いことからうま味が強いのではないかということが考えられる。DPPH法による抗酸化性の測定については、烏骨鶏の肉は白色レグホンの肉よりラジカル消去率が5倍程度高い結果となった。抗酸化性成分であるカルノシンを測定した結果、烏骨鶏の肉の方が白色レグホンの肉より4倍程度カルノシンが多い結果となり、抗酸化性が高くなった要因のひとつと考えられた。
|