2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500772
|
Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
長野 隆男 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (20304660)
|
Keywords | 食品 / 物性 / 食品構造 / 消化性 |
Research Abstract |
肥満はわが国で大きな社会問題となっている。そのため,食べても糖質の消化吸収が遅く,血糖値の上昇が緩やかで肥満になりにくい食品の開発を目的とし,食品の力学物性と構造が澱粉の消化性に与える影響について研究をおこなってきた。 23年度は,非澱粉系多糖類がうどんの粘弾性特性,構造,消化性に与える影響を研究した。非澱粉系多糖類は,グアーガム(GG),ローカストビーンガム(RG),コンニャクグルコマンナン(KGM)の3点を用い,小麦粉に対して5%添加してうどん試料を作製した。 まず,うどん試料を小麦粉10gで評価できる簡便な評価系を構築した。非澱粉系多糖類を添加して作製したうどん試料について官能検査,物性測定,澱粉の消化性の測定,構造観察をおこなった。官能検査をおこなった結果,非澱粉系多糖類を加えると評価は低下したが,GGとRG添加品は標準品と同程度の評価であった。力学物性測定を行った結果,非澱粉系多糖類を加えると破断歪が低下することが示され,官能検査との良い相関がみられた。澱粉の消化性を検討したところ,うどんに非澱粉系多糖類を添加することで澱粉の消化性が約1/3低下することが示された。うどんの構造を共焦点レーザー走査顕微鏡により観察した結果,GGを添加したうどんで澱粉粒が観察された。 以上の結果から,非澱粉系多糖類を加えると官能評価と物性評価から標準品と同程度のうどんを作製することができ,澱粉の消化性を1/3まで低下させることができることが明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)