2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500773
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
太田 英明 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (70289510)
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Keywords | 食品 / ストレス / 脳波 / GABA / 嗜好性 |
Research Abstract |
食品に対する嗜好が精神的ストレスに与える影響を調査することを目的として、2種類の野菜果実飲料(主原料がニンジンジュース主体のものとトマトジュース単独のもの)の摂取前後の精神的ストレス状態を評価した。被験者は実験参加に同意を得た本学女子学生12名を対象とし、内田クレペリン検査(日本・精神技術研究所製)による精神的ストレスを与え、ストレス評価として脳波、心拍変動、α-アミラーゼ活性および主観的なストレス緩和指標であるVisual analogue scale(VAS)の測定を実施した。なお、対照として野菜果実飲料と等量の糖分を含んだ糖液と蒸留水を用いて比較検討した。また、各試験飲料について嗜好調査を行った。 その結果、ニンジンベースのジュースでは脳波、心拍変動、α-アミラーゼ活性、クレペリン検査の計算量およびVASの項目で蒸留水と比較してストレス抑制傾向がみられた。また、トマトベースのジュースは、すべての測定指標で蒸留水と比較してストレス抑制傾向がみられ、科学的評価ではトマトベースのジュースの方がストレス抑制に関与する可能性が推察された。一方、嗜好調査ではニンジンベースのジュースが他の試験飲料と比較して有意に嗜好性が高いことが示された。 以上より、個人の嗜好と食品摂取と精神的ストレス抑制にあるいは緩和効果には明確な相関はみられなかった。トマトベースのジュースは、抗ストレス素材として注目されているγ-アミノ酪酸(GABA)の含量が約5倍であったためGABAがストレス抑制に関与した可能性が推察された。
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Research Products
(2 results)