2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム予防と油脂の摂取に関する研究
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21500774
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
藤原 葉子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (50293105)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 骨格筋 / C2C12 / パルミトオレイン酸 / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
肥満によって引き起こされる高血圧、脂質異常症、耐糖能異常症を合併したメタボリックシンドロームは、動脈硬化性の虚血性心疾患や脳梗塞の発症リスクが高くなるため、社会的な問題となっている。メタボリックシンドロームの予防や治療には、肥満を防ぐ食事の質や量が重要となる。その中でも脂質はカロリーが高いだけでなく、種々の生理機能を持つ必須脂肪酸としての役割も持っているため、適切な摂取の量と質を知ることが必要である。そこで、脂質の質を決定する種々の脂肪酸影響を、肥満やインスリン抵抗性に関わる細胞レベルで研究し、昨年度は脂肪細胞における種々の脂肪酸の影響を検討した。 糖のホメオスタシスにおいて、骨格筋における糖の取り込みは全身の耐糖能に大きな影響を持つ。今年度は骨格筋における脂肪酸の影響を調べるため、マウス筋芽細胞由来C2C12細胞を使い、DNAマイクロアレイによる解析を行い、個々の脂肪酸による体系的影響を調べた。C2C12筋芽細胞は、10%FBSを含むDMEM培地でコンフルエントに達するまで培養した後、培地を2%horse serumを含むDMEM培地に変え、筋管細胞に分化誘導した。パルミトオレイン酸(POA)及びパルミチン酸(PA)、オレイン酸(OA)、エイコサペンタエン酸(EPA)を添加し、DNAマイクロアレイによる網羅的解析を行った。 その結果、C2C12細胞では脂肪細胞とは異なり、脂肪酸の種類によって変化する遺伝子が大きく異なっていた。特に、近年インスリン抵抗性の改善効果を持つと報告されているPOAでは、PAとOAと比べて487個の遺伝子が特異的に上昇していた。また、EPAやOAとも異なる496個の遺伝子が上昇していた。POAで特異的に上昇していた遺伝子には、Gタンパク質関連遺伝子が多くみられた。
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Research Products
(5 results)