Research Abstract |
1)女子大学生に対する味覚教育の実施が味覚能力に及ぼす影響 女子大学生に対して,味覚教育を取り入れた授業を実施し,対照群と同時期の味覚能力の比較,および味覚教育の内容が,味覚能力,食行動に及ぼす影響について検証した。その結果,味覚教育実施群は,塩から味の検査得点が有意に上昇したが,対照群では得点の上昇はなかった。また,味覚教育実施群は,「味わい重視」から「味覚能力」,および「食事バランス」に対して,さらに「薄味重視」から「外食・中食の抑制」を通して,「味覚能力」,および「食事バランス」に対して有意な関連が示された。以上のことから,味覚教育を取り入れた授業の実施が,女子大学生の味覚能力(塩から味)の向上,および健全な食行動に結びつくことが示唆された。 2)大学生に対する食育の効果の検証,大学生に対する食育が食行動に及ぼす影響 食生活と健康に関する授業の実施後に質問紙調査を行い,食生活に対する意識と行動の変化を確認した。その結果,食生活と健康に関する授業の実施後には,「外食・中食:に対する抑制の意識と行動」,「作法・食環境に対する意識と行動」,「薄味重視の意識と行動」,「食事作りに対する行動」の得点が上昇していた。また,「(主観的規範)教員」は,男性では,「食事バランスに対する意識」に,女性では,「食晶摂取」に対して,「(主観的規範)家族」は,男性では,「表示の利用」に,女性では,「食事バランスに対する意識」と。表示の利用」に対してそれぞれ直接の関連が認められ,さらに「食事バランスに対する行動」,「外食・中食に対する抑制行動」へと関連していた。以上の結果から,大学生は,食や健康に関する授業を受講することで,食生活に対する価値観を高め,食生活の改善へとつなぐことができる可能性が示唆された。さらに,大学生の食行動を改善させるためには,家族からの継続した働きかけが重要であると考えられた。
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