2010 Fiscal Year Annual Research Report
食事導入期のタンパク質栄養の制御による正常な大腸内環境の構築
Project/Area Number |
21500781
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
西村 直道 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (10341679)
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Keywords | 大腸内発酵 / 窒素 / タンパク質 / 酪酸 / 水素 / 腸内細菌 / 腸内細菌叢 / 食事導入期 |
Research Abstract |
昨年度、消化吸収能の低い食餌導入期に分離大豆タンパク質(S)で大腸に窒素を供給した場合、酪酸生成を促進させる細菌叢が定着することも示した。このことから、食餌導入期に適切な窒素源と糖質源を大腸に供給することが有益な腸内細菌叢の形成を促す可能性が高い。そこで食餌導入期の仔ラットにSと同時にペクチン(P)を投与し、より高酪酸生成能を有する腸内細菌叢を構築できるかを調べた。妊娠ラットに固形飼料を与えて出産させ、出生21日後の仔ラットに食餌導入を開始した。同腹仔を4群に組分け、カゼイン(C)食とS食、及びそれぞれの5%P添加食(CP,SP)を与えた。食餌導入開始時、食餌導入14及び28日後に排出水素量を測定し、盲腸内容物中腸内細菌叢パタン及び短鎖脂肪酸を解析した。SP食群の摂食量は他群より低下傾向を示し、体重増加量は他群より有意に低下した。食餌導入14日後の腸内細菌叢パタンは群ごとに固有のパタンを形成する傾向を示したが、安定したものではなかった。一方、食餌導入28日後の細菌叢パタンは各飼料摂取でそれぞれ固有のパタンを形成した。また、摂取タンパク質によらず、P投与ラットのパタンは比較的類似した。食餌導入14日後、S食群の盲腸内酪酸濃度は他群より有意に高く、これまでの結果を再現した。しかし、いずれの食事導入期においてもSP食群のそれはS食群と同等もしくはそれ以下だった。一方、排出水素量はPの同時投与によって有意に増加した。このことから、食餌導入期にSと同時にPを与えても、大腸内酪酸生成を促進することはできないが、水素生成を促進できることがわかった。
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Research Products
(4 results)