2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍血管新生を抑制する食品成分の探索とその抑制機構の分子細胞生物学的解析
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21500782
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
太田 敏郎 静岡県立大学, 生活健康科学研究科, 助教 (40285193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊澤 茂則 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10295561)
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Keywords | 癌予防 / 血管新生 / 食品成分 / 分子細胞生物学 |
Research Abstract |
固形腫瘍の増大には栄養成分や酸素の供給が必要であり、そのために腫瘍は局所的な血管網の伸長(血管新生)を誘導することが近年明らかにされている。この血管新生を制御して癌を抑制・退縮させる治療法の開発が進められ、その成果として抗VEGF抗体Avastin(bevacizumab)が進行性大腸癌患者に約5ヶ月の延命効果を持つことが示された。この薬剤は血管新生阻害薬として初めての医薬品認可を2004年に米国で受け、2007年4月に日本においても「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の治療薬として承認されている。このように、腫瘍血管新生の阻害は既に臨床レベルで有効性が証明されている癌治療の新戦略であり、これを応用して癌の予防・再発防止に利用できる食品の開発を目指すことが本課題の全体構想である。 平成23年度は、これまでの成果を基に様々な植物抽出物およびその含有成分について新たにスクリーニングを行い、血管新生抑制活性を有する活性成分を同定した。同定された活性成分について、その血管新生抑制の分子機構の解明を行った。 その結果、東南アジア原産のグネツム科植物メリンジョの種子抽出物とそれに多く含まれるレスベラトロール類縁体が強い血管新生抑制作用を有し、複数の内皮細胞機能(細胞増殖、遊走、管腔形成)を阻害することを明らかにした。さらに、分子レベルで、これらレスベラトロール類縁体よってシグナル伝達タンパク質ERK1/2が不活性化されることも示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、東南アジア原産のグネツム科植物メリンジョの種子抽出物に多く含まれるレスベラトロール類縁体が強い血管新生抑制作用を有することを明らかにできた。これまでの成果に引き続き、腫瘍血管新生の阻害による癌の予防・再発防止食品開発のための候補となる食品成分が順調にリストアップできている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究がおおむね順調に進展していることから、今後も従来通りの流れを想定して研究を行う。そして、様々な植物抽出物や食品成分についてさらに新たなスクリーニングを行い、血管新生抑制活性を有する活性成分を同定する。同定された活性成分について、その抑制機構の分子細胞生物学的解明を行う。
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Research Products
(1 results)