2010 Fiscal Year Annual Research Report
飲酒によって引き起こされる肝疾患を予防する食品成分の検索とその応用
Project/Area Number |
21500783
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
湯浅 明子 (小島 明子) 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (90295709)
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Keywords | 栄養学 / 食品 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
食品成分によるアルコール性肝疾患の予防効果とそのメカニズムについての総括的な研究を行い、近年、罹患者数が急増しているアルコール性肝疾患に着目して、日常の食生活を改善することによって健康長寿を目指すことができるように提言するための基礎研究を行うことを目的として、申請者が開発したin vitroアルコール性肝硬変モデルおよびin vitroアルコール性肝炎モデルをもちいて、アルコール性肝疾患(肝炎および肝硬変)を予防する食品成分を検索し、さらに、実験動物を用いたin vivoアルコール性肝疾患モデルを用いて、in vitroの研究で予防効果の認められた食品成分を食事に取り入れることによって効果が認められるかを検討することを目的として、以下の成果を得た。 In vitroアルコール性肝硬変および肝炎モデルを用いて、アルコール性肝疾患の予防効果を有する食品成分(Ecklonia cava抽出物、玉造黒門越瓜抽出物、ごまリグナン、マテ茶抽出物)を見出し、そのメカニズムについて解析した。すなわち、エタノールによって細胞内の活性酸素種産生量が亢進し、このことが引き金となってアルコール性肝炎や肝線維化さらには肝硬変が形成されること、また、本研究で見出した上記の食品成分には、抗酸化作用を有することを明らかにした。さらに、実験動物を用いたin vivoアルコール性肝疾患モデルを作製した。すなわち、アルコールを飲用させ、単独投与では障害を誘導しない低濃度の肝障害剤(四塩化炭素)を同時投与することによってアルコール性肝疾患を発症させるモデルを確立した。本モデルでは、飼育期間が1週間を経過した頃から肝障害の指標となる血中の逸脱酵素(AST、ALT、LDH)活性値が上昇し、3週間の飼育期間でアルコール性肝疾患に特徴的な肝障害が観察されることから、in vivoアルコール性肝疾患モデルとして有用あることを明らかにした。
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