Research Abstract |
若年成人では食事や睡眠などの生活リズムの乱れや朝食欠食が起こりやすく,啓発活動とそのエビデンスとなるデータの蓄積が求められている.本研究では,(1)20歳前後の男女を対象に生活リズムに着目した実証的研究を実施すること,および(2)研究成果を基に生活リズム正常化を支援する「ヤングの感性に響く食教育コンテンツ」を作成し効果を検証すること,を目的に以下の研究を行った. 最終年度は,成果を学会発表や論文として積極的に公表するとともに,大学新入生への朝食支援を目的とした食教育コンテンツを開発.携帯電話への情報配信システムの構築と8週間の介入試験を実施しその効果を検証した. (1)生活リズム・朝食に着目した実証的研究 (1)朝の胃運動を促進する数種類の飲食物の負荷試験をヒトで行い,成果を公表した(永井ほか,栄養学雑誌2012). (2)朝の飲食物摂取後の中心・末梢体温変化を精査し,成果を論文として投稿した(高木ほか,女性心身医学会誌,栄食誌). (3)時計遺伝子多型と朝の胃運動の関連を検討し,成果を投稿した(Yamaguchi et al. Physiol Behav). (4)朝型-夜型度と朝の自律神経活動の関連を検討し,成果を公表した(山口ほか,女性心身医学会誌2011). (5)遺伝子多型と朝のエネルギー代謝の関連を検討し,成果を公表した(Nagai et al. Int J Obes 2011). (2)食教育コンテンツ開発と評価 (1)携帯電話からアクセス可能な朝食支援のためのウェブコンテンツ(マンガ,レシピ)を作製した. (2)(1)を配信し,アクセス回数チェックやアンケート入力・集計のためのシステムを構築した. (2)本学の大学新入生209名を介入群と対照群に分け,8週間の介入試験を実施し介入効果を検証した. (3)携帯からのアクセス数は当初良好であったが次第に減少した.新たにインセンティブを加えるなどの改良が必要である. (4)成果は学会で公表のほか(永井ほか,栄養・食糧学会2012),投稿準備を行っている(山口ほか).
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