2010 Fiscal Year Annual Research Report
レアメタルのiNKT細胞に対する影響の分子栄養学的研究
Project/Area Number |
21500789
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 進 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (70348142)
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Keywords | カルシニューリン / ランタン / スカンジウム / イットリウム / 活性酸素種 / インターロイキン-2 / Jurkat細胞 / バナジウム |
Research Abstract |
1. in vitroにおいてカルシニューリン活性に影響を与えるレアメタル、微量元素のスクリーニング (1) カルシニューリン(CN)は、T細胞においてインターロイキン・2(IL-2)産生を制御し、細胞性免疫に関与する酵素として知られている。昨年度、ウシ脳由来のCN(bCN)を用いて三価のランタン(La^<3+>)がCN活性を上昇させることを見出したが、今回更にスカンジウム(Sc^<3+>)、イットリウム(Yt^<3+>)においての同様の効果があることを明らかとした。 (2) リコンビナントヒトCN(rhCN)を用いて微量元素に対する酵素活性の影響等を検討したところ、bCNで観察されたNi^<2+>に対する依存性が観察されず、また、同様にバナジウムに対する影響も観察されなかった。 2. Jurkat細胞におけるバナジウムイオンのIL-2産生誘導の作用機序に関する検討 バナジウムイオン(VO_4^3、 VO_3、 VO_2^+)が、Jurkat細胞のIL-2産生を誘導することを明らかとしてきたが、活性酸素種(ROS)発生に関与するNADPHオキシダーゼ(Nox)の阻害剤であるジフェニレンヨードニウムクロリドによりIL-2産生が低下したこと、またNoxの基質であるNADPHとバナジウムによりIL-2産生が相乗的に上昇したこと、およびバナジウムやNADPHの同時添加により、細胞内の還元物質量が低下したことからバナジウムによるROSの発生がIL-2産生の誘導に関与していることが考えられた。 3. Mn^<2+>の細胞性免疫に対する影響の分子栄養学的研究 ホルボールエステル存在下、Mn^<2+>は、転写調節因子AP-1を上昇させるが、そのメカニズムについてERK1/2の検討を行ったが、ERK1/2の関与は観察されなかった。
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