2011 Fiscal Year Annual Research Report
レアメタルのiNKT細胞に対する影響の分子栄養学的研究
Project/Area Number |
21500789
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 進 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (70348142)
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Keywords | カルシニューリン / マンガン / 亜鉛 / カドミウム / インターロイキン-2 / Jurkat細胞 / AP-1 |
Research Abstract |
1.In vitroにおいてリコンビナントカルシニューリン活性に影響を与える微量元素のスクリーニング カルシニューリン(CN)は、T細胞においてインターロイキン-2(IL-2)産生を制御し、細胞性免疫に関与する酵素として知られている。本研究ではリコンビナントヒトCNを用いてZn^<2+>、Cd^<2+>に対する酵素活性の影響を検討した。その結果、両者ともに阻害作用を認め、特にCd^<2+>では二相性の阻害作用を示した。またZn^<2+>と低濃度側のCd^<2+>の50%阻害濃度(IC_<50>)はほぼ一致した。 2.Jurkat細胞におけるバナジウムイオンのIL-2産生誘導の作用機序に関する検討 先行研究においてバナジウムイオン(VO^<3->_4)、VO^+_2が、活性酸素種(ROS)発生に関与するNADPHオキシダーゼ(Nox)を介してJurkat細胞のIL-2産生を誘導することを明らかとしてきた。本検討では更にバナジウムイオンのIL-2産生に関わる3つの転写調節因子activator protein-1(AP-1)、nuclear factor of activated T-cells(NFAT)、nuclear factor kappa B(NFκB)に対する影響について検討を行った。その結果、バナジウムイオンはNoxを介したROS産生により3つの転写調節因子を活性化し、IL-2産生の誘導に関与していることが示唆された。 3.Mn^<2+>の細胞性免疫に対する影響の分子栄養学的研究 ホルボールエステル存在下、Mn^<2+>は転写調節因子AP-1を上昇させることにより、IL-2産生を誘導することを示してきたが、そのメカニズムを調べるためmitogen-activated protein Kinase(MAPK)ファミリーであるc-Jun N-terminal kinase 2(JNK2)とp38の活性化について検討を行った。その結果、Mn^<2+>はホルボールエステル存在下、JNK2とp38を活性化することにより、AP-1を活性化することが示された。
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