2010 Fiscal Year Annual Research Report
食品中タンパク質量を推定する窒素-タンパク質換算係数の新規算定法とその有効的利用
Project/Area Number |
21500791
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
藤原 しのぶ 聖徳大学, 人間栄養学部, 講師 (10279672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 弘子 聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (40196176)
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Keywords | 食品 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究は、新規な窒素一タンパク質換算係数算定法をタンパク質の供給源として重要な食品に適用すること、および得られた新規換算係数の有効な利用法について提案することを目的としている。従来の換算係数を全窒素量に乗じた場合、非タンパク態窒素化合物に対する配慮等がないため、タンパク質量の過剰算定等の問題が生じる。この問題を解消するため、従来とは異なる概念を導入して、正確なタンパク質量の測定に基づく新規な換算係数算定法(換算係数=タンパク質量÷全窒素量)を構築した。この方法を適用すれば、より正確なタンパク質量を導く換算係数の算定が可能である。本研究は3年間で達成するように計画され、初年度(平成21年度)は、様々な食品の新規換算係数の算定を目的として研究を行った。まず、植物性タンパク質の供給源である豆類のアミノ酸組成分析を行い、新規換算係数として5.51を得た。次に、「アミノ酸組成表」収載食品の新規換算係数を試算し、295食品の平均値(±SD)として4.89(±0.61)を得た。平成22年度は、前年度の結果を背景に一歩進め、新規換算係数の有効な利用法を探ること、および動物性タンパク質に対して新規な換算係数算定法を適用するための予備検討を目的として研究を行い、以下の結果を得た。 1.新規換算係数の実用性の検討について(日本食生活学会誌に発表) (1)食事から得られるタンパク質量の推定;献立表(学校給食・コンビニ弁当)を用いて、給与タンパク質量を従来の換算係数および新規換算係数を使用して試算し、比較した。従来法によるタンパク質量(x)と新規係数により算定したタンパク質量(y)との間には相関関係が認められ(r=0.987,p<0.01)、回帰分析により回帰式y=0.878x-0.937を得た。 (2)新規換算係数の試算;複数の食品で構成される献立の給与タンパク質量の推定に適用すべき換算係数は5.10~5.20が妥当であると推察された。 2.動物性タンパク質の新規換算係数算定について;分析試料(牛・豚・鶏肉)の前処理法の検討および予備実験を行った。
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