2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム関連の遺伝子多型を利用したテイラーメイド食事療法の開発
Project/Area Number |
21500794
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
田中 明 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (70171733)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 食事療法 / 遺伝子多型 / 生活習慣病 / 運動療法 / アンギオテンシノーゲン / 脱共役たんぱく質 / β3アドレナリン受容体 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的はメタボリックシンドローム(Met.S)に関連する遺伝子多型を利用したテイラーメイドの食事療法を開発することであるが、平成22年度は、平成21年度に引き続き、体脂肪燃焼に関係するアドレナリンβ3受容体(Adβ3R)と脱共役たんぱく質(UCP)-1遺伝子多型および血圧上昇に関係するアンギオテンシノーゲン(AGT)遺伝子多型の食事・運動療法(6ヶ月間)による体重、肥満度(BMI)、体脂肪率(DEXA法)、腹囲、血圧改善効果に及ぼす影響を検討した。対象例数は平成21年度70例に対して、平成22年度は101例と増加した。 Adβ3R遺伝子多型の野生型WW群(59例)および変異型WR+RR群(42例)における食事・運動療法介入効果の比較では、6ヶ月間の体重、BMI、体脂肪率、腹囲の減少は、いずれも野生型(WW群)よりも変異型(WR+RR群)の方が小さかったが、有意差を認めなかった。 UCP-1遺伝子多型の野生型AA群(33例)および変異型AG+GG群(68例)における食事・運動療法介入効果の比較では、6ヶ月間の体重、BMI、体脂肪率、腹囲の減少は、いずれも野生型(WW群)よりも変異型(AG+GG群)の方が小さかったが、有意差を認めなかった。 AGT遺伝子多型の野生型TM+MM群(35例)および変異型TT群(66例)における食事・運動療法介入効果の比較では、6ヶ月間の収縮期および拡張期血圧の変化は野生型(TM+MM群)の低下よりも変異型(TT群)の低下の方が小さかったが、有意ではなかった。 今回の検討から、Met.Sに関連する遺伝子多型の変異型は食事・運動療法による減量効果が出にくいことが示された。しかし、遺伝子多型以外の要因の影響が大きく、遺伝子多型と減量効果の関係は減弱化されることが推定された。
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