2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム含有食品添加物の摂取による卵白アルブミン特異的なアレルギー反応の誘導
Project/Area Number |
21500796
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
若林 あや子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30328851)
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Keywords | 食品添加物 / みょうばん / アルミニウム / 卵白アルブミン / 食物アレルギー / IgG1 / IgG2a / T細胞増殖反応 |
Research Abstract |
6週齢のBALB/cメスマウスに、卵白アルブミン(OVA)10mgのみ、またはOVA10mgと共にみょうばん(硫酸アルミニウムカリウム)10mgを5回連日経口投与し、その後、毎週一回同様な経口免疫を4回行った。これらのマウスから末梢血を採取し、血清中の抗OVA IgG1、IgG2a、IgG2b、IgE抗体価を測定すると共に、脾臓と腸間膜リンパ節を摘出し、採取したT細胞におけるOVA特異的増殖反応を検討することにより、OVAに対するアレルギー反応の誘導について観察した。 その結果、OVAと共にみょうばん経口投与をくり返したマウスの血清中抗OVA IgG1、IgG2a、IgG2b抗体価は、OVAのみを経口投与し続けたマウスの値に比べ、高い値であった。また、OVAとみょうばんの経口投与をくり返したマウスの脾臓のT細胞のOVA特異的増殖反応は、OVAのみを経口投与し続けたマウスの値に比べ、高い値を示した。一方、血清中抗OVA IgE抗体価と腸間膜リンパ節のT細胞増殖反応のマウス間の差はみられなかった。 以上のことより、タンパク抗原と共にみょうばん(硫酸アルミニウムカリウム)をくり返しマウスに経口投与した場合、それだけで、タンパク抗原に対する抗体産生や特異的T細胞が活性化されることが明らかになった。しかし、タンパク抗原のみをくり返し経口投与しても、抗体産生や特異的T細胞が活性化されることはなかった。みょうばんのような、アルミニウムを含有する食品添加物をくり返し頻繁に摂取することは、食物アレルギーの誘導や進行を促す可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)