2009 Fiscal Year Annual Research Report
調理・加工によるビタミンC由来メイラード反応生成物の健康への影響
Project/Area Number |
21500797
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
三宅 紀子 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 応用生命科学部, 准教授 (70314573)
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Keywords | ビタミンC / メイラード反応 / α-カルボニル化合物 / 食品 / 酸化 |
Research Abstract |
私たちは毎日食品材料を調理・加工して食べ物として摂取しているが、その際起きる食品成分間反応のひとつとしてメイラード反応(アミノ・カルボニル反応)が広く知られている。この反応により着色物質や香気成分が生成するため、高温加熱調理食品の嗜好性付与に重要な役割を果たしている。近年、このアミノ・アルボニル反応が生体内においても進行し、種々の疾病の発症・進展と関わることが報告された。そこで、飲食物由来のアミノ・カルボニル生成物の健康への影響についても関心が向けられるようになってきた。そこで本研究ではビタミンC、特に反応性が高いその酸化生成物と食品中タンパク質との反応生成物についてその安全性評価を行うことを目的とした。食品の加工・調理のモデル系として、アスコルビン酸およびその酸化生成物(デヒドロアスコルビン酸、ジケトグロン酸)と食品タンパク質(カゼイン)との反応を緩衝液中で条件を変えて行い、後期糖化生成物(AGE)の生成度を褐色度および蛍光強度の測定により調べた。中性下、70℃での加熱条件において、アスコルビン酸の場合、対照のグルコースと同様にほとんど生成していなかったが、アスコルビン酸酸化生成物については、反応性が高いことが知られているジカルボニル化合物(グリオキサール、メチルグリオキサール)と同程度であり、アスコルビン酸酸化生成物がAGEの生成に寄与することがわかった。さらにアミノ・カルボニル反応の反応中間体であるジカルボニル化合物の生成量の定量を行ったところ、アスコルビン酸酸化生成物においてグリオキサール他2-3のジカルボニル化合物の生成が認められた。
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