2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500798
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Research Institution | Matsumoto University |
Principal Investigator |
山田 一哉 Matsumoto University, 人間健康学部, 教授 (20263238)
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Keywords | インスリン / 高炭水化物食 / SHARP-2 / 時計遺伝子 / 食品成分 / 血糖調節 |
Research Abstract |
本研究では、まず動物個体へ導入するためのアデノウイルスの増幅を繰り返していたが、たくさんの個体へ導入できるほどの力価を得るに至っていないため、鋭意精製中である。並行して、インスリン誘導性転写因子SAHRP-2遺伝子の発現を誘導できる活性をもつ食品とし大豆を取り上げ、その成分検索とメカニズムの解析を行った。 インスリン応答性ラット肝癌細胞株であるH4IIE細胞を、大豆イソフラボンであるゲニステインやダイゼインで様々な濃度・時間で処理した。これらの処理を行った細胞からtotal RNAを調製し、リアルタイムPCR法を用いてSHARP-2 mRNAの発現量を測定した。その結果、SHARP-2遺伝子の発現は、インスリンと同様2時間と非常に早期に誘導された。一方、ダイゼインではSHARP-2遺伝子の発現誘導は認められなかったため、ゲニステインは特異的にSHARP-2遺伝子の発現を誘導すると考えられた。次に、ゲニステインによるSHARP-2遺伝子発現の誘導が、インスリンと同様、PI3-K経路を介しているかどうかについて検討した。H4IIE細胞に、PI3-K経路の阻害剤であるLY294002で処理を行い、ゲニステインで2時間処理を行ったところ、ゲニステインによるSHARP-2 mRNAの誘導はLY294002処理では抑制されなかった。したがって、ゲニステインによるSHARP-2遺伝子の発現は、PI3-K以外の経路が関与していることが明らかとなった。そこで、各種シグナル伝達経路の阻害剤を用いて、ゲニステインによるSHARP-2遺伝子の発現誘導経路の解析を行った。その結果、Protein kinase C(PKC)の阻害剤であるStaurosporineおよびRo31-8220、ならびにDNA依存性RNAポリメラーゼの阻害剤であるActinomycin DでSHARP-2 mRNAの誘導が阻害された。以上の結果から、ゲニステインは、PKC活性を介して転写レベルでSHARP-2遺伝子の発現を誘導する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)