2011 Fiscal Year Annual Research Report
植物天然成分の抗菌作用を活用した給食食材洗浄剤と褥瘡患部洗浄剤の開発
Project/Area Number |
21500811
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Research Institution | 新潟県立大学 |
Principal Investigator |
田村 朝子 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (60240991)
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Keywords | 天然成分 / 抗菌性 / ポリフェノール類 / 洗浄剤 / 給食食材 / 褥瘡 |
Research Abstract |
本研究は、食用とされながら廃棄される部分、例えば「ふきの葉」など、といった植物から有用な抗菌成分を抽出し、天然で安価で安全な食材用及び褥瘡患部用洗浄剤の開発を目的とし、その効果を検証する。 平成23年度は、平成22年度に引き続きフキ葉、キク葉、クズ葉、オトギリ草を試料に、その抽出液を用いて褥瘡患部より分離した細菌に対する抗菌性を明らかにするとともに、手指および調理台に対する洗浄効果を、特定給食施設で実際に用いられているATPふきとり検査法を用いて検討した。 その結果、褥瘡のDESIGN評価において、患部がd(真皮までの損傷)程度の場合、分離細菌は好気性の緑膿菌やブドウ球菌が多くなった。これらの細菌に対してフキ等の抽出液の総ポリフェノール量が30g/ml程度含有された場合、ディスク拡散法、液体培養法いずれにおいても非常に高い抗菌効果が認められた。したがって、フキ葉、キク葉、クズ葉抽出液は褥瘡患部の洗浄剤として可能性が見出されたといえる。 平成21年度の結果を基に手指及び調理台に対する洗浄効果を検討した結果、大量調理施設衛生管理マニュアルに規定されている石けんまたは消毒用アルコールの代わりにフキ葉、キク葉、オトギリ草抽出液を用いても、マニュアルに規定された通常洗浄法と同等のATP量が検出された。その場合の細菌数についても、通常洗浄法と同等の細菌数に減少していた。しかし、緑茶抽出液は、細菌数が通常洗浄法と同等に減少しているにも関わらず、ATP量は基準値以下にはならなかった。特定給食施設では、調理作業中に洗浄効果を迅速に得る必要がありATP法を用いている。本研究で用いた抽出液は、ATP法で洗浄効果を判定することが可能であることから、特定給食施設での洗浄剤として有効活用できることが示唆された。
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Research Products
(3 results)