2009 Fiscal Year Annual Research Report
漂着物多様性情報の解読と漂着物を活用した体験型環境教育プログラム
Project/Area Number |
21500817
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
鈴木 明彦 Hokkaido University of Education, 教育学部, 教授 (20235930)
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Keywords | 漂着物 / 生物多様性 / 海洋環境 / ビーチコーミング / 環境教育 / 自然体験学習 |
Research Abstract |
平成21年度は、中央北海道石狩湾沿岸5地点を定点として、毎月1回海岸漂着物の調査や採集を行った。継続的な調査検討の結果、トリガイ、サクラガイ、イボニシなどの暖流系貝類の打ち上げを相次いで確認した。また、北海道の日本海側でアオイガイ、エチゼンクラゲ、コウイカなどの暖流系生物の漂着状況を調査した。日本海沿岸の対馬暖流域における野外調査では、島根県隠岐島後及び韓国済州島の海岸で、貝類を中心とする漂着物の調査や採集を試みた。これら離島での調査は対馬暖流域での貝類の漂着物多様性を見積もるための貴重なデータと考えられる。一連の研究成果は学会で公表し、順次学会誌に公表した。特に北海道沿岸における暖流系生物の継続的な漂着は、海水温上昇を示唆する地球温暖化の一例としても注目された。さらに身近な海岸漂着物を環境教育や自然体験学習に生かすための基礎データの収集を、博物館学芸員らと共同して行った。これらの研究成果は漂着物教材として、学生の野外調査指導や教員の10年研修の資料として活用した。今年度は、長年にわたり採集してきた石狩湾沿岸の漂着物から代表的なものを選択し、簡潔な解説をつけて、カラー印刷による6頁立てリーフレット(石狩のビーチコーミング)を500部作成した。来年度は、学生の野外調査実習、教員の免許更新講習、学校現場における環境教育教材として、今回作成のリーフレットを十分に活用し、その内容を加筆修正し、よりわかりやすく更新する予定である。
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