2010 Fiscal Year Annual Research Report
数学的に考える過程に焦点をあてた教員養成及び現職教員研修プログラムの開発
Project/Area Number |
21500819
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
太田 伸也 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50322920)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 博之 弘前大学, 教育学部, 准教授 (30400120)
西澤 道知 弘前大学, 教育学部, 准教授 (20318801)
昆 正博 弘前大学, 教育学部, 教授 (70103017)
山形 昌弘 弘前大学, 教育学部, 准教授 (10003675)
伊藤 成治 弘前大学, 教育学部, 教授 (40193487)
|
Keywords | 数学科教員養成 / 現職教員研修 / 数学的な見方考え方 / 思考の把握 |
Research Abstract |
数学的に考える過程に焦点をあてた教員養成及び現職教員研修プログラムの開発に向けて,学生対象に試みた実践について次の(1),(2)の視点から効果を検討した。(1)「ファニャーノの問題」への取り組みを通して考える過程に数学的な価値を見出すことができたか,また,それが他の教材研究の場面に活かされたか(レポート課題の実践と分析),(2)授業中の子どもの試行錯誤の映像を解釈する活動を取り入れたことは有効か(学生の活動の把握)。(1)については,問題解決過程の分析や自らの思考過程の振り返りの活動は有効だったが,それがそのまま他の教材研究の場面に活かされるとは限らないことがわかった。考える過程に着目し多様性を受け入れようという意識があっても,扱う問題によっては特定の見方を与える発想に陥る傾向がみられ,自らの数学あるいは教育的視野を拡げながら授業にかかわることの必要性が示唆された。(2)については,子どもの活動の解釈が学生によって分かれ,議論を通して試行錯誤の過程に内在する数学的活動の価値を見直す場面ができた。この活動によって,実際の授業観察で子どもの活動を追って記録をとるという方法が学生に明確に意識化された。記録の具体性については学生による差が見られたが,子どもの試行錯誤の映像を解釈する経験は,実際の授業観察場面に転移しやすい条件になることが推測された。 上記のほかに,授業や研修で受講者自身が自らの数学的活動を通して授業のあり方を考えるための教材として,新たに「自然数の性質」や「面積の意味」について考える教材等を扱った。また,小学校教員養成課程の学生対象の数学専門科目については,「整数の性質」「平面図形の敷き詰め」をテーマとする授業を数学教育および数学専門教員が協同で担当し,その効果を検証するために授業前半と授業後半で関連するレポート課題による取り組みを試みた。
|
Research Products
(3 results)