2009 Fiscal Year Annual Research Report
新学習指導要領実施を見据えた中学校物理単元の指導法の改善
Project/Area Number |
21500825
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
伊東 明彦 Utsunomiya University, 教育学部, 教授 (70134252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 久城 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (10218729)
南 伸昌 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (80292572)
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Keywords | 物理教育 / 科学教育 / 中学校理科 / 学習指導要領 / 力概念 / 仕事とエネルギー / Fi-Cube / 力表示器 |
Research Abstract |
1)中学生が学習内容に関連する物理諸概念をどの程度習得しているかを、独自の基準によって調査した。調査内容と結果は以下のとおりである。 ・従来から問題が指摘されている「力の矢印の表記法」についての調査結果から、力の表記法を学習後の中学生であっても、表記法を理解していない中学生が多数存在すること、また、その原因は、「力を矢印で表わす時には決まった表記法がある」ことを理解していないことにあることを明らかにした。 ・平成20年度の学習指導要領改訂に伴って新たに学習内容として加わった「仕事とエネルギー」に関連して、中学生および大学生のエネルギー概念を調査した。その結果、被験者の多くがエネルギーと仕事に対する明確なイメージを持っておらず,中学校での学習も困難であったとの回答を得た。 2)前年度までの基盤研究(C)において研究代表者らが開発した力表示器「Fi-Cube」を用いた授業実践を繰り返し、「Fi-Cube」の効果的な使用法について検討を続けた。その結果、「Fi-Cube」の使用が生徒の正しい力概念の獲得に大きな効果があることが明らかとなった。一方、「Fi-Cube」にはいくつかの使用上の制約があり、これが「Fi-Cube」の利用を困難にしていることが指摘された。 この結果を受けて「Fi-Cube」の改良を行い、「Fi-Cube」を動かす時に特定の方向の運動のみが許されるという制約をほぼ解消することが可能となった。これによって、「Fi-Cube」の性能が格段に向上し、授業で使用する際の使いやすさが大幅に改善された。この成果については、現在特許出願の準備を行っている。
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Research Products
(4 results)