Research Abstract |
代表者の鈴木は,「数学的活動」に関して,これを数学教育における実践の観点から捉え直し,教育現場に存在する問題点とその打開策を提示した。また,空間幾何の分野を対象に,数学的活動に見合う教材モデルを開発し,教育実験に及んだ。 分担者の柳本は,「数学的モデリング」の現在の実践の実際を調査するため,オーストラリアのヴィクトリア州における数学的モデリングの教材について,メルボルン大学の教員を中心に聞き取り調査を行った。あわせて,オーストラリアで使用されている教科書における主要な扱い内容を調べ,その特徴を探った。 また,分担者の守屋は「数学的活動」に関して,ICTMA14にて,モデリング過程には素朴的プレモデルから数学的発展モデルへと,モデル自体の進化がある事例と多変数関数や重積分をより理解するため数学的活動による模型作りが有効であることを報告した。さらに,数学的モデリング研究の世界的な現状を調査した。また,遠隔協同学習用に数学の文化史的な観点から地面水平型日時計の教材研究を行い,事前実験授業を行った。 さらに分担者の渡邊は現在学校教育で行われている数学的活動の学習指導要領や教科書における記述的な分析を行った。その問題点を視野にいれ,先行研究や様々な学力調査を考察,分析することから,現在学校数学で必要とされる数学的活動の種類を,種々の視点から分類しその型を提案した。そして,提案した内容が妥当であるかを検証するため,一部の型に関して,実際に行った教育実践を考察することからその妥当性を探った。
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