Research Abstract |
・代表者の鈴木は,文字・文字式に係る生徒の認識を一段と高めるため,大阪教育大学附属天王寺中学校第1学年の生徒(157名)を対象に,スタック構造を有するHewlett Packardを用いたプログラミング教育実験を行い分析・整理した(協力者:竹歳賢一)。この結果,(1)ほとんどの生徒が3時間程度の指導で基本的な算術式に関するプログラムを組むことができること(2)生徒はプログラムを組む過程で,文字自体がもつ性質(実質性と容器性の二面性)を理解できること(3)文字式を柔軟に捉えることができること等が明らかとなり,現実事象・計算機の利用・数学の三者を有機的に統一した数学的活動に係る教材内容開発への道が拓けた。 ・分担者の柳本は,「年金税問題」と「太陽光パネル発電問題」の話題から数学的モデリングを教材化し,中学生を対象に教育実践を行い,一定の成果を得た。 ・分担者の守屋は,素朴的プレモデルから数学的発展モデルへ学習が進む教材として,「日時計」の教育的意義について考察した。また,大学生同士によるTV会議を使った協同ゼミをドイツで行い,解析・幾何分野で,双方の教科書分析結果や実際の授業を相互紹介し,ドイツでは現実的課題を扱う場面が多いことが分かった。さらに,韓国春川教育大学に協同ゼミ用のTV会議を設置し,今後のドイツ-タイ-日本-韓国の4地点による国際的な遠隔協同学習の教材開発及び,教育実践の準備を整えることができた。 ・分担者の渡邉は,前年度にひきつづき,高度な数学内容を含む数学的活動の教材を開発し,実践を行った。具体的には,中学校2年生を対象とした「射影幾何」に関わる内容であり,実際に中学校4クラスで実践を行い一定の成果を得た。また,前々年度,前年度に開発した一連の教材の成果のまとめを行った。
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