2011 Fiscal Year Annual Research Report
教員免許更新制における免許状更新講習用化学実験教材の開発
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21500840
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荻野 博 東北大学, 大学院・理学研究科, 客員研究員 (00004292)
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Keywords | マイクロスケール化学実験 / 教材開発 / モルボックス / クロマトグラフィー / 気体反応 / 普及活動 |
Research Abstract |
最新知識を身につけた教師を育てるために、マイクロスケール化学実験(MC)に重点をおいた新しい化学教育教材を開発することが本研究の主目的である。世界各国ではMCを全面的に導入することによって化学教育が大きく姿を変えている。著しい立ち遅れを見せているわが国の化学教育を変革するために、生徒・学生の興味を引きながら内容の充実した、しかも短時間で行なえる化学実験教材開発に努力を払った。また、このような新しい化学教育法の普及活動にも力を入れた。 1.教材開発: 多くの気体反応は化学量論的に進行する。すなわち、生成・消滅する気体の体積が簡単な整数比になるので、化学反応の理解にきわめて有効である。そこで、MCに基づき各種の気体を発生させて行なう気体化学反応の学習教材を開発した。これらは主族元素の化合物の反応の理解に特に有効である。また、気体反応の理解を助けるためにアクリル板を使った比較的安価な0.1モルボックス(内容積:2.24 L)を設計製作した。すでに開発してきたMCで行うイオン交換クロマトグラフィーにさらなる改良を加えると共に、遷移金属イオンが見せる反応性ならびにその際の多彩な色の変化を観察する教材の開発などを行なった。 2.研究成果の授業への適用: 放送大学の学習センター(宮城、広島、鹿児島)において、化学実験付きの面接授業(スクーリング)を行い、実験の所要時間、実験の難易度、学生の反応などの効果を測定・観察し、開発教材の改善にフィードバックさせた。 3.MCの普及活動: 第2回マイクロスケールシンポジウムでの講演、平成基礎科学財団主催の「楽しむ科学教室」での実験付き講演、新潟大学における演示実験付き講演を行ったほか、宮城県大和町の少年少女発明クラブにおける実験教室の開催、秋田県小坂町立小坂小学校、仙台市科学館および仙台高専名取キャンパスなどにおいてそれぞれ実験教室を開催(わくわくときめき実験教室)し、新しい化学教育法の普及に努めた。
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