2011 Fiscal Year Annual Research Report
人間の音声生成機構を分かりやすく説明する声道模型の改良とその音響教育応用
Project/Area Number |
21500841
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
荒井 隆行 上智大学, 理工学部, 教授 (80266072)
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Keywords | 科学教育 / 音響教育 / 音声生成 / 声道模型 / 可視化 / 母音 |
Research Abstract |
「声道模型を用いた音響教育」において人間の音声生成機構を分かりやすく説明するため、模型をA「より単純な機構」、B「スタンダード」、C「より複雑な機構」の3つに分け、それぞれのカテゴリーにおいて模型の改良ならびに新たな設計に取り組むと同時に、その活用方法、ティーチング・プランの検討、評価を行った。 「リード式音源」について、形状を半円筒型や角型にするのに加え、様々にサイズ(長さや太さ)を変えながら試作するとともに、比較検討を行った。その結果、角型ものが、今までの中で最も音質が良いものと同程度である上、様々な声の高さを容易に実現できることが分かった。それを受けて、手動でピッチを変えることができるリード式音源を実現することに成功した。 一方、「スライド式模型」においてサイズの異なるものを製作し、異なる周波数の音源と組み合わせることによって、子どもの声から大人の女性、男性の声までを模型で生成できることを実証した。さらに、生成された母音に対して聴取実験を行うことによって、声道のサイズと音源の周波数の間にはあらゆる組み合わせが許される訳ではなく、両者にはある一定の制約が存在することを確認した。 「円筒管接続式模型」と「スライド式模型」については、実際に米国の大学にて音声学の講義に使用していただき、その教育的効果を調べた。その結果、まずスライド式模型を用いて口腔内に狭めのない「あいまい母音」から出発し、狭めとなるスライド部を挿入することによりその位置の違いによって/a/や/i/になることを説明。そして、円筒管接続式模型を用いて、舌の位置や口唇の丸めの有無など話をその他の母音へと展開していくなど、導入から本題の説明に渡って効果的であることが示された。「舌スライド式」の模型について、ブロック式の模型を新たに設計し、1つの模型によって5母音が再現性をもって生成されることを確認した。
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Research Products
(8 results)