2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック状光素子を用いた扱いやすく安価な光学実験教材の開発
Project/Area Number |
21500849
|
Research Institution | 仙台高等専門学校 |
Principal Investigator |
馬場 一隆 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 教授 (10192709)
|
Keywords | 光学素子 / 理科教材 / 波長板 / 複屈折 / 分光器 / 光計測 / 糖度計 / 偏光スプリッタ |
Research Abstract |
本年度は,プロットタイプ素子材料の検討と試作,及び応用教材の開発を中心に,研究を進めた。 材料が高価であった複屈折材料については,市販されているアクリル板を用いて波長板の試作を行った。市販のアクリル板は,厚さが1mm以下のものであれば延伸処理を経ているのか,複屈折性が観察きれたが,2mm以上の厚さのものには,複屈折が認められなかった。厚さ1mmのアクリル板の複屈折の大きさを測定し,その光学軸をそろえて2枚貼り合わせることにより,波長480nm用のλ/4板の試作に成功した。今後は他の波長帯用の素子の試作に取り組んでいく予定である。その他,液体における光の吸収率の高感度測定用セルやDVDディスクを応用した分光器等の試作も行った。今後更に改良が必要であるが、基本的には目的にかなった素子の試作が可能なめどをつけることができた。その他,ダイクロイック板や有機樹脂系のカラーフィルタを用いたブロック状光学素子の試作もおこなった。これらについては,素子の特性としては問題が無かったが,接着時の気泡の発生やゆがみなど、今後改善すべき問題点をいくつか見出した。 応用教材の開発としては,主に液体用の糖度計についての開発を進めた。旋光性を用いる方式と,糖度と屈折率の関係を用いる方式について検討を進め,どちらの方式でも理科教材として利用できる構成法についての目処をつけることができた。 さらに,ブロック状光学素子と組み合わせて用いることができる光送受信器用の導波路型偏光スプリッタや,液体用の屈折率・吸収率の同時測定法等の関連分野でも新しい方式を提案し,理論的な検証等も行った。
|