2011 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック状光素子を用いた扱いやすく安価な光学実験教材の開発
Project/Area Number |
21500849
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Research Institution | 仙台高等専門学校 |
Principal Investigator |
馬場 一隆 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 教授 (10192709)
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Keywords | 光学素子 / 理科教材 / 糖度計 / 波長合分波器 / 分光特性 / 複屈折性 / 波長板 / 屈折率測定法 |
Research Abstract |
本研究は、中等・高等教育機関における実験教育や公開講座等での使用を目的とする取り扱いが容易で安価に提供できる新しい光学実験教材の開発を目指すものである。このため、本研究では、(1)2cm角程度の直角ブロック状に各光学素子を構成して光軸や位置の調整を容易にし、(2)高価な光学素子は入手が容易で安価な他の材料で自作するととを基本方針として、研究を進めてきた。今年度は、最終年度であり、主にブロック状光学素子の応用教材の開発を中心に研究を進め、またいくつかの素子については製作法の改良のための検討を行った。 先ず、応用教材としては、前年に引き続き、液体用の糖度計について検討を進めた。三角プリズムを利用して,反射率変化率変化から糖度を読み取る方式のものについては、糖度0から20%の糖液に対応して利用できるキットを前年度中に試作していたが、よりコンパクトにして測定精度を上げるための改良を行った。実験値は予想される理論値と良く一致しており、理論を実験により検証するという高等教育機関らしい実験教材となった。また、キューブ状の波長合分波器を利用した板状試料の分光特性測定システムの試作も行った。赤、緑、青といった大雑把な特性ではあるが、簡単に実験系を組んで測定することが可能であり、また構成素子を比較的簡単かつ低価格で作ることができる。素子の開発については、セロファン等の複屈折性を持つ市販樹脂製品を用いて可視領域における波長板の試作に成功した。 その他、光ファイバ中に設けられたギャップ中のビームの広がり方が液体の屈折率に依存することを利用した屈折率測定法等、関連分野についての研究も進めた。
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