2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21500858
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
大木 淳一 千葉県立中央博物館, 生態学・環境研究科, 主任上席研究員 (90280750)
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Keywords | 地学教育 / 校内学習 / 学校の石材 |
Research Abstract |
学校の石材を活用した校内学習型地学教育プログラムを開発するべく、典型的な岩石が露出する地域の小学校・中学校において、どのような石材が用いられているのか、地域地質や地域産業と学校の石材との関係を調べるという事例研究を主に行った。 平成23年度は伊豆諸島に注目し、海に囲まれた閉鎖的空間の島嶼において地域地質がどのように学校の石材に使用されているのかを調査するべく、伊豆諸島の全小学校・中学校と閉校になった小中学校33校の石材調査を行った。 その結果、一部の小中学校で校庭の芝生化工事などが施され、調査を行うには困難な状況であったものの、ほとんどの島嶼の小中学校が地域地質や島の地形を反映した岩石を何らかの形で学校の石材として使用していることが明らかになった。地域地質と産業との関係としては、新島で採掘されているコーガ石が新島および式根島の学校の校門やオブジェとして使用されているのが興味深かった。 また、授業実践は千葉県九十九里町の幼稚園の年長組を対象に、泥だんご作りのプログラム開発を行った。幼稚園では泥だんご作りが人気なので、関東ローム層(赤土)を使用した泥だんご作りを行うことで、地層に興味を持つ第一歩を踏み出すプログラム開発を行うことをねらいとした。 その結果、幼稚園児は握力が弱いため、大人の補助さえあれば30分ほどで光る泥だんごを作ることが明らかとなり、普段生活している大地の砂との違いを理解することができた。 平成24年度は後述するように、授業で話題になりそうな小中学校での石材調査を進め、同時に小学校や中学校での授業実践を行い、プログラムの開発・試行を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成22~23年度は博物館の教育普及課へ異動し、来館者サービスの業務を行ったため、当初の計画通りに授業実践やアンケート調査を行うことができなかった。学校の石材調査も業務に支障来す場合が多かったので、予定通り実施できなかった。しかし、伊豆諸島の小中学校を全て調査できたことは大きな成果ととらえている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は小笠原諸島、日本の東西南北の最端部に位置する小中学棟、主要な岩石が露出する周辺の小中学校で使用されている石材を調べ、授業実践時に自分の学校と比較できる、あるいは興昧を持てる素材調査を行う。さらに、これらの結果をデータベース化して学校と連携した授業実践を行い、校内学習型地学教育プログラムの開発を行う。
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