2012 Fiscal Year Annual Research Report
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21500858
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
大木 淳一 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員 (90280750)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 地学教育 / 校内学習 / 学校の石材 |
Research Abstract |
学校の石材を活用した校内学習型地学教育プログラムを開発するべく、典型的な岩石が露出する地域の小学校・中学校において、校門・石碑・駐車場の砂利などにどのような岩石が使用されているのか、地域地質や地域産業と学校の石材との関係を調べるという事例調査を主に行った。 平成24年度は日本最東端に位置する根室半島地域、日本最西端に位置する八重山諸島(与那国島、竹富島)、典型的な岩石が露出する地域として、石灰岩や石炭が分布する山口県秋吉~福岡地域、大谷石を産する栃木県大谷町地域における19校の小中学校を調査した。 その結果、根室半島や八重山諸島など周囲を海に囲まれている地域では地元の岩石を多く使用しており、秋吉~福岡地域、栃木県大谷町地域など他地域と比較的容易に物流を行える地域では地元の岩石だけでなく、他地域に産する岩石も石碑などに多用することが明らかになった。 授業実践においては学校の石材を活用した教員研修1件、博物館の展示と本調査で得た映像資料を活用した普及活動1件、大学での授業実践1件を行い、学校の石材を活用したプログラム開発に向けた基礎資料を得ることができた。 また、光る泥だんご作りを通した地球の歴史を学ぶ授業実践は大学の実習として2件行った。その結果、適正な泥だんごの大きさや作り方をスキルアップすることができたので、来年度は大学と大学附属幼稚園とが連携した光る泥だんご作りを実践し、子どもから大人まで短時間で地球の歴史を肌で感じられるプログラムの開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成22~23年度は博物館内の教育普及課へ異動し、個人や団体対応の来館者サービスなど外部に出張が困難な業務を行ったため当初の計画通り進めることができなかった。昨年度は教育普及課から異動したものの、企画展の展示製作を担当することとなり計画通り進められなかった。ただし、調査へ出かけた際は効率よく小中学校を訪ねることができたので、ある一定の成果を得ることはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度にあたるため、八重山諸島の未踏査地域や稚内ー礼文地域、小笠原諸島の小中学校を調査し、島嶼系小中学校の石材の特徴をまとめる。また、5年間かけて調査した全小中学校の石材を掲載した教材(ポスター)を作成し、全国学校石材くらべを行い、この教材を活用した実践的な地学(理科)教育プログラム開発を行う。 また、光る泥だんごから大地を学ぶプログラムは幼児教育に有効であることが分かってきたので、前述の通り、博学連携で実践を積み重ねた泥だんご作りを目指す。
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