2011 Fiscal Year Annual Research Report
中学校における計測・制御技術の科学的理解力を伸ばすロボット教材の研究
Project/Area Number |
21500868
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
紅林 秀治 静岡大学, 教育学部, 教授 (60402228)
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Keywords | 計測・制御 / 2足歩行ロボット / 技術・家庭 / 中学校 |
Research Abstract |
申請者は,中学校における脳神経科学を取り入れた新しい科学・技術教育教材とカリキュラムを開発のための実践研究を行った。 本年度は,実践協力を御願いした公立中学校において2足歩行ロボット教材を用いた計測・制御学習を行った。昨年度の実践結果から、教材用2足歩行ロボットを歩行させるプログラムの制作の際、学習者の80%以上が自分の歩行動作を参考にプログラムを作成している事実が判った。また、ロボットが歩行中転倒しないためには、ロボットの重心の位置やバランス制御が重要であることに気づいていることもわかった。これらの結果から、2足歩行ロボット教材を用いた計測・制御学習では、以下の2つの能力 (1)「バランス(重心の移動)を考えて制御できる能力」 (2)「自分の体の動きから制御プログラムを作成できる能力」が身につくという教育仮説を立てることができた。 本年度の実践では、教育仮説(1)(2)を検証するための実践を行った。特に、(1)(2)の能力に関しては、外部の刺激を感覚器で受け取り信号化し、その信号を脳で処理し、その結果を骨格筋に出力するという人体におけるバランス制御の方法と対比させる学習をカリキュラムに加えて実践を行った。 実践後の評価試験の結果(1)と(2)の能力に関しては、学習者に身についていることは確認できたが、人体のバランス制御の処理の学習と歩行プログラムのアルゴリズムの考案の間に高い相関は見られなかった。その理由として、2足歩行ロボットには3軸加速度センサを実装したが、学習者は、加速度センサを利用して歩行プログラムを制作せず、身体動作や姿勢という視覚的な情報のみから歩行プログラムを考えていたためであることがわかった。そのため、ロボットのセンサと人体の制御メカニズムに関する授業方法の改善が必要であることがわかった。
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Research Products
(7 results)