Research Abstract |
新学習指導要領の実施にともない,中学校技術分野において「情報に関する技術」の「プログラムによる計測・制御」学習にロボット教材(マインドストームNXT)を使用し,授業実践を行った。授業指導方法にも工夫を行い,e-Learning教材を作成し,生徒一人ひとりにデュアルモニター画面を使用できる環境を整備した。e-Learning教材は,「計測・制御の仕組みの学習」,「プログラムの基本」,「プログラムの作成」で構成し,「計測・制御の仕組みの学習」の知識・理解の部分ついては,重要な事項をワークシートに記入させながら生徒個々の時間配分で学習を行わせた。また,「プログラムの働きと作成の実習」では,一つの画面にはプログラム作成のための方法を提示し,もう一つの画面でプログラムを作成できるようにした。ロボットの動きを動画で提示し,その動作からフローチャートを考え,それからプログラムを作成させた。この方法により,生徒らはロボットを制御するためにプログラムの課題を着実に解決しながら,計測と制御とプログラムの関係を理解した。また,ロボット教材を2名に1台用意することで,ロボットへの興味・関心を高め,実践的な学習をすることで技術を適切に評価する能力を向上させた。さらに,この授業を通して,人間力の育成(課題解決力,探究心,集中力,共同的解決力,自己評価力)についても検討した。その結果,教師主導型の授業とe-Learning教材を使用した授業を比較しても,各能力の育成について差異がないことがわかった。集中力に関しては,教師主導型の授業と比べると18%も向上しており,e-Learning教材を使用した有効性を示した。
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