2011 Fiscal Year Annual Research Report
自然に親しむ保育による「育つ力」の実証研究-意義の明確化とモデル実践の提案-
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21500888
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Research Institution | Seika Women's Junior College |
Principal Investigator |
田尻 由美子 精華女子短期大学, 幼児保育学科, 教授 (50216967)
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Keywords | 自然 / 幼児 / 実証研究 / 育つ力 / 保育 / 幼児教育 / 動植物 / 環境教育 |
Research Abstract |
(1)自然に親しむ保育によって幼児がよりよく育つことを実証するため、エピソード研究を中心に、保育事例や園環境の改善事例などの収集を行った。モデル的保育環境・保育実践の最終提案には至らなかったが、自然保育の重要性を示す事例が数多く認められた。 (2)保育現場での自然保育の普及を目的にした「自然保育研修会」を、福岡県の幼稚園・保育所に参加を呼びかけ、現職者を対象にして開催した。「子どもにとっての自然の意義」についての講演、「園庭の改善や保育実践の方法」に関するワークショップと討論などを行い、参加者同士の交流も行うことができた。参加者、開催者ともども保育実践における具体的な問題点や解決策を知る機会となり有意義であった。今後、研修会内容を整理しまとめることにしている。 (3)保育学会でのシンポジウム開催を行い、自然保育を教育方針の中心に据えた保育関係者からの話題提供や保育者養成教育における実態などの話題提供を行った。参加した保育者・研究者の意見交換などの交流、改めて「自然保育の意義」を確認する機会となった。 (4)保育現場で自然保育が普及しない理由として、園環境もあるが、保育者が「自然や動植物」を得意としない、あるいは重要と認識していないということがある。保育者の知識と技術を向上させるために、保育者の「自然への感性を育む」ための養成教育の在り方を探った。自然や生命に対しての豊かな感性を持っていることがわかり、養成教育においては「自然」だけではなく「天体」や「気象現象」のような不思議、あるいは生死・成長・老化あるいは自己の存在にもつながる「生命のめぐり」に関するような「不思議」を取り入れることの意義が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自然保育の教育効果について、広範なエピソード研究(事例研究)の手法をとることとしたが、保育現場での事例収集が思うように進まなかったため、集約するには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに研究に協力してもらう研究者や保育現職者を確保し、保育所、幼稚園の事例収集に努める。
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Research Products
(5 results)