2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500890
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
瀬戸 悟 石川工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50216545)
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Keywords | 学生実験 / 有機EL / スピンコート / 真空蒸着 / 発光スペクトル |
Research Abstract |
最終年度である本年度では、高専電気系学科の「モノづくり教育」の一環として、目で見える形の電子デバイス、具体的には「光る」電子デバイスを作製させる新しい実験教材「有機ELの作製と分光特性」を完成させ、モノづくりの楽しさを実感できる実験の実施とその有効性を検証することができた。 前年度までは安定して発光する有機ELの作製に成功しなかった実験グループをもあったが、平成23年度は、デバイス作製プロセスの再検討を行った結果、学生が普通に実験すれば安定して"光る"有機ELデバイスの構造としてAl/Alq3/PVK/ITO/glass構造を採用して実験を行った。特に成膜コントローラによる正確な膜厚制御と基板洗浄法を行うことによって安定して"光る"有機ELデバイスを作製できるようになった。さらに学生は膜厚の変化による特性への影響を調べるより進んだ課題にも取組むことができた。さらに発光強度が強い有機ELの作製にも成功し、その分光特性や電流電圧特性も系統的に評価することができた。一方、有機ELが劣化よって発光強度が低下することなど、文献で述べられていることを学生たちも経験できたことも成果である。学生の報告書には本実験をとおして最先端と思われた有機ELデバイスが自ら作製できることに驚きと、さらに材料系のものづくりにも興味を持つことができたとの記述があった。アンケート結果でも電子デバイスの興味が増したとの回答が多く見られた。 以上、本研究課題によって電子デバイス系のものづくりに学生は興味を喚起できる学生実験課題「有機ELの作製と分光特性」を完成させることができた。今後も本実験教材を学生実験として継続的に実施していく。
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