2009 Fiscal Year Annual Research Report
盲ろう者・聴覚障害者の歌唱支援のための触覚フィードバックによる音声ピッチ制御
Project/Area Number |
21500896
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
坂尻 正次 Tsukuba University of Technology, 保健科学部, 准教授 (70412963)
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Keywords | 盲ろう / 聴覚障害 / 触覚ディスプレイ / 歌唱訓練 / 発話訓練 / 音声ピッチ |
Research Abstract |
盲ろう者・聴覚障害者は音声ピッチを知覚することができないので、音声ピッチの制御に困難をきたしている。特に歌唱に際しては音声ピッチを音階対応し安定して調節する必要があるので困難である。本研究課題では開発した盲ろう者・聴覚障害者の歌唱を支援するための触覚ディスプレイを用いた音声ピッチ制御システムを用いている。本システムの触覚ディスプレイにはピエゾ圧電素子による振動子64本が16行4列に配列されている。ユーザーは右手人差し指の第1関節を触覚ディスプレイ上に置いて触覚刺激を知覚し、触覚フィードバックにより音声ピッチを調節する。 上記システムを用いて、課題曲を設定し、歌唱の際の被験者の音声ピッチを計測する評価実験を実施した。被験者は2名の盲ろう者である。評価実験の結果、目標音程と音声ピッチとのずれはあるものの、評価結果全体としては、ある程度課題曲のメロディに沿って歌うことができているという結果が得られた。また、音程上昇時に比べて、音程下降時の音声ピッチのずれが大きいという傾向が見られた。これは被験者の内観報告からも示されている。これは、音声ピッチ調整時の喉頭筋群の制御機構に起因していると考えられる。また、目標音程と被験者の音声ピッチの絶対値の差をピッチ差として算出したところ、その音符当たりの平均値は117.5[cent]であった.この結果は、本研究における盲ろう被験者は成人健聴者あるいは健聴幼児と同程度正確に歌うことが可能であることを示している。
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Research Products
(3 results)