2010 Fiscal Year Annual Research Report
力覚により運筆を支援した視覚障害のための書字訓練システム
Project/Area Number |
21500903
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
村井 保之 日本薬科大学, 薬学部, 准教授 (30373054)
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Keywords | 力覚 / 運筆 / 訓練システム |
Research Abstract |
研究課題の中心である"力覚による書字訓練システム"を試作した.力覚装置の提示力が,実際の筆記に近い状態で墨字の形状や筆記時の力加減を表現できているかを確認した.運筆の誘導時にはニューラルネットワークや自己組織化マップ(SOM)などを用いたパターン認識技術を利用して力覚デバイスのパラメータ調整を行うためのプロトタイププログラムを作成した.システムの作成は被験者を通して行わなければならないため,全盲者には触覚ディスプレイを,弱視者には拡大表示のための大型液晶ディスプレイを,それぞれ使用して書字された文字を被験者に提示また,触覚ディスプレイを併用して書字を表示・確認できることを確認した,訓練システムに訓練を効果的に行うための進度に合わせて3モード(強力覚:力覚で運筆を誘導,弱力覚:弱い力で運筆を誘導またはテンプレートの文字をはみ出しそうになった場合に誘導,無力覚:力覚なし,ただし書字領域を逸脱する場合スタイラスをロックし警告を発する)を設定した.訓練初期には2台の力覚装置を用い1台を介助者が使用し介助者の書字をもう1台の利用者の装置で再現し訓練するマスター・スレーブ方式を追加中である.開発中のシステムでは力覚装置の分解能の関係で,実際の筆記に必要な1cm四方の小さな字を書くための訓練が別途必要となるため,小さな字を書くためにタブレット上に等間隔で設定したいくつかの点を,ある点を基準とし各点をペンで正しくポイントすると音で知らせることでペン先の移動距離感を訓練するプログラムを開発中である.評価システムでは,視覚障害者が書きやすい漢字の書き順は一般的な漢字の書き順と異なるため,そのことを考慮して評価するための方法を現在検討中である.
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