2010 Fiscal Year Annual Research Report
エンタテインメント・コンテンツ産業の高度職業人材育成に向けたケース教材の研究開発
Project/Area Number |
21500909
|
Research Institution | Graduate School of Film Producing |
Principal Investigator |
助川 たかね 映画専門大学院大学, 映画プロデュース研究科, 教授 (10440421)
|
Keywords | コンテンツ産業 / エンタテインメント / 人材育成 / 事例研究 / ケースメソッド / 産学連携 / 高度職業専門人 / 産業界ニーズ |
Research Abstract |
全体計画は6項目は分かれているが、22年度に実施した項目は以下のとおりである。 1. 予定項目(1)産業界調査:21年度に続き、当該産業のキーパーソンへの聞き取り調査によって、人材育成に関する教育ニーズの予備調査を行った。23年度は、結果の整理・分析を行う。 2. 予定項目(2)ケース実態調査:当該分野のケース開発・利用の実態、ベストセラーの特徴の調査・分析。21年度実施のハーバード経営大学院に加え、INSEAD経営大学院,ヴァージニア大学ダーデン経営大学院、ハーバード行政大学院、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院を追加。シンガポール大学では、ケースを多用する教員への聞き取り調査を実施した。 3. 予定項目(4)ケース開発:21年度に選んだ事例に関する取材、検証を継続し、本研究課題としてのケース作成対象となる日本国内のプロジェクトの資料調査および聞き取り調査を実施、ケース執筆を開始した。 4. 予定項目(5)ケース活用効果の調査:1.および3.の過程で、当該産業の代表的企業に対する、聞き取り調査を行い、産業界ニーズをケースの内容に反映させた。23年度も作業継続予定。 以上が22年度中に実施した研究作業であるが、21年度分もあわせ、総数800以上のエンタテインメント・コンテンツビジネスの内容を精査する中で、教育効果が高く、学生の興味につながるケースには、対象の選定や問題定義の方法に対する「企画力」という共通性があり、長期間にわたりベストセラーとなっているものが多いことを発見した。ケースが商品である側面も考えると、教員がより積極的に教材開発に取り組めるようになるためには、こうした「企画力」を修得することが必要である。また、優れたケースは、続編によって、より課題の本質に迫っているものが多く、企業や当事者との関係づくりと、そこから得られる偏りのない情報収集も本研究課題の目的のひとつとなろう。
|