Research Abstract |
近年,教育分野において,これまでの講義内容の片方向的な公開を行い,議論する余地があまりない環境は望まれておらず,学習者が教授者と同じ立場で積極的に講義に参加することが可能なシステムが望まれてきている.そこで,本研究では,知識の蓄積・流通・循環を支援することができ,学習者が生涯にわたって,利用可能なコミュニティシステムの作成を目的としている. 平成22年度までにおいては,大学院におけるポートフォリオインテリジェンスシステムを活用して,講義・演習中におけて,「個」としてのポートフォリオの作成機能を実現し,東京虎ノ門キャンパスの全大学院生に対して,その活用を実施した.また,カメラ画像などの動画像をもシステム中に取り込み,アクセス権限の設定までをも可能するシステムを構築運用した.さらに,講義・実習における情報共有の構築を支援するために,本研究で提案しているように共有情報機能付きの教育コミュニティシステムの構築を行い,一部実施も行った.その結果として,教育・修学目標の共有化や学修能力の蓄積と流通の促進が可能となってきた.また,関西大学の山本教授の元で双方向型教育コンテンツのあり方と実施と評価方法について検討会や一部試作を実施して頂いた. また,上記の成果において,明らかになっていた教授者・学習者や,学習者相互のコミュニティの創発が生じづらい環境と創発が生じる環境が存在することが明らかとなってきた.システム構築に関して,教育ベースのe-ポートフォリオ機能とコミュニティシステム(学習者がe-ポートフォリオ中に残す修学コンテンツに対して,ソーシャルブックマーク機能にて実現済み)は完成している.本システムを用いて東京虎ノ門キャンパスにおける知的創造システム専攻やビジネスアーキテクト専攻での本格運用を継続し評価を取得する.
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