2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21500912
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
大石 晴美 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (50387479)
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Keywords | 英語教育 / 第二言語習得 / 脳認知科学 / 教授法・学習理論 / 教育工学 |
Research Abstract |
[研究内容] 本研究の目的は、英語のリーディングにおける教授法で同じトピックの読み物を継続的に読んでいく方法(Narrow Reading(NR指導法;Krashen, 1981)が効果的であることを脳科学的に検証し、さらに新しい教授法開発へと発展させることである。そのため、平成22年度は、NR指導前後で、課題遂行時における学習者の脳血流増加量を測定し、アンケートとインタビューを実施、それらの結果を、1)学習者を初級、中級、上級に分け、習熟度別に学習者の理解度と脳活性度の変化を分析した。 [意義・重要性] 結果としては、脳活性状態が無活性型および過剰活性型の学習者は、選採的活性型に変化し、選択的活性型は自動活性型に近づき、いずれの場合も最適な脳活性状態に変化し統計的に有意となった。上級学習者の自動活性型は、脳血流量の変化には有意差がなかったが、理解度については向上した。また、自動活性型の学習者は、血流増加量の変化はなかったものの読解ストラテジーが変化した可能性があることがインタビュー結果から判断できた。本研究結果から、NR教授法は、本実験に参加したいずれの学習者においても効果的であることが脳科学および認知学的知見から得られたと判断できる。この点について、今後の効果的な教授法開発の可能性を明らかにできたことで意義を持つ。 平成23年度は、本研究の最終年度である。過去2年の実験データをまとめ、学会発表、論文発表をすることに重点をおく。学会発表で得られた示唆を参考にし、論文を投稿し今後の研究につなげる。
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