2010 Fiscal Year Annual Research Report
体験学習時に蓄積された情報の効果的な活用に関する研究
Project/Area Number |
21500914
|
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
佐藤 慎一 日本福祉大学, 国際福祉開発学部, 准教授 (10410763)
|
Keywords | 教育工学 / 情報可視化 / 体験学習 / ソーシャルメディア / 高等教育 |
Research Abstract |
本研究ではこれまで、体験学習実践でのSNS活用を踏まえながら、SNSに蓄積された文書の閲覧システムを開発してきた。本年度、ここまでの成果と今後の展望をまとめ、国際学会(教育におけるメディア活用分野では最大手の1つであるED-MEDIA)で発表を行った。この研究成果は高く評価され、優秀論文賞(Outstanding Paper Award)を受賞した。並行して、活動プロセスの振り返りを強化することによる学習成果の向上を目指し、プロジェクト遂行型の体験学習において、閲覧システムを実践的に活用した。実証のための学習活動としては、大学における正課授業として行われる国際交流イベントの運営活動を対象とした。大学1~3年生の学生が、実行委員会を組織し、自らでイベントを開催するという活動である。10以上の係に分かれ、係の内外で協力しながら共通の目的に向かって取り組むものであり、プロジェクト進捗過程における進行状況の確認や、事後の振り返り活動においてSNSおよび本研究で開発した閲覧システムの活用を行った。 ともすれば「やりっ放し」になりがちな体験学習において、SNSに活動状況を記録し、さらに本システムを用いてこれら記録を定期的に閲覧するというプロセスを設けた学習を、実際の高等教育の現場において実現できたことは意義のあることと考える。実証は今後の課題ながら、学習時の体験の相対化、学習者の自己効力感の向上など、実践からは一定の効果が感じられた。 閲覧システムに関しては、他の実践でも利用できるように整備を行い、ブログや学習管理システム(LMS)を活用した教育実践を行う他研究者に提供した。本研究の成果を、本研究とは異なる分野・文脈での教育に活用する可能性を追求することも意義深い取り組みであると考えている。
|
Research Products
(3 results)