2011 Fiscal Year Annual Research Report
体験学習時に蓄積された情報の効果的な活用に関する研究
Project/Area Number |
21500914
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
佐藤 慎一 日本福祉大学, 国際福祉開発学部, 准教授 (10410763)
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Keywords | 教育工学 / 可視化 / 体験学習 / ソーシャルメディア / 高等教育 |
Research Abstract |
SNSを活用した体験学習の実践、および、SNSに蓄積された情報を閲覧するシステムの開発・活用を概ね計画通りに推進した。その結果、体験学習のプロセスを記録・共有し、記録を元に学習の全貌を振り返るという学習のプロセスを一定レベルで確立した。学習結果の定量化は困難であるが、蓄積された記録を評価するための指標を、先行研究を踏まえて策定し、取り組みの評価を試みた。 前年度まで学内SNSを活用した実践を重ねたが、最終年度には、MixiやFacebookといった大手SNSの活用の可能性についても考察し、実践に取り入れた。外部SNSは、体験学習の中で知り合った学内外の人々とつながりを維持するために使われる事例が増えている。学生自身は必ずしも学習と意識しているとも限らないが、やりとりを通じて活動の意味を再認識するなど、学習面での効果が期待される内容も中には見られた。こうした分析により、今後、学内システムにとどまらず、外部システムとの連携も視野に入れた学習環境をデザインしていくための知見を得ることができた。 閲覧システムに関しては2つの改良を行った。1つは、オープンソースの学習管理システムとして普及しているMoodleのブログの可視化に対応したことである。実際に、他研究者による英語学習の実践において継続的に活用されている。もう1つは、API(Application Interface)の活用により、Facebookの投稿データを可視化できるようにしたことである。後者については、APIの制限により、数ヶ月前に遡るデータを取得できないことなどなど、複数のSNSのデータを用いた振り返り支援のためには、システム的に克服すべき課題も明らかになった。全体としては、本研究で開発した閲覧システムが、申請者の学内システムに限らず、他でも活用できることを実証的に示すことができたと考えている。
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Research Products
(5 results)