2010 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害の生徒を対象にした「助詞検定」の実施とその評価
Project/Area Number |
21500927
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
後藤 豊 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (90205617)
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Keywords | 聴覚障害 / 助詞検定 / 書記日本語 / eラーニング / 日本語表現 / Web |
Research Abstract |
(1)eラーニングシステムを活用するWeb助詞検定の実現と改良 助詞検定をeラーニングシステムで実現するため,国際規格であるSCORM2004対応となるよう教材のナビゲーションやシーケンシングに関するプログラミングを行った。これらの教材をシステムに実装し,実地テストを繰り返しながら,柔軟で堅固なシステムとなるように改良を重ねた。 (2)助詞検定教材の作成と改良 石川ろう学校はじめとする聾学校の国語科教員(研究協力者)及び研究代表者を含む本学の研究協力者が,これまで作成してきた教材を細かく点検・分析し,より合理的な設問となるように改良した。また,これまでの試行結果を参考にして,級の構成,教材の提示順序等を見直し改善を図った。更に,受験対象者を小学校低学年まで拡げることを意図し,全ての設問文章へ振り仮名(ルビ)を付けた。 (3)Web助詞検定の実施環境(ハード面)の調査 インターネットとパソコンを使用してWeb助詞検定をスムースかつ安全に実施するため,いくつかの聾学校において実地の調査を行った。この結果,学校側のセキュリティ設定が厳しく,本学のeラーニングシステムへうまく接続できないことがあった。また,聾学校における生徒のパソコン利用環境はまちまちで,必ずしもパソコン室が自由に利用できるとは限らなかった。なお,助詞検定の実施に当たり,各校の情報系教員による国語科教員へのサポートが必要なことも分かった。 (4)Web助詞検定の実施環境(ソフト面)の調査 助詞検定をどのような時期・場で実施するかについて各聾学校の国語科の教員と議論した。この結果,単元で助詞を扱うタイミングに合わせて実施したいという意見が出される一方,書記日本語の実力判定として助詞検定を使いたいので,クラスの生徒全員を一斉に受験させたいという希望もあった。各校の状況に合わせて柔軟に実施する必要があり,更に検討を進めたい。
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