2009 Fiscal Year Annual Research Report
インタラクションの活性化に基づく現職教師を対象とした遠隔学習コースの設計方法論
Project/Area Number |
21500932
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
益子 典文 Gifu University, 総合情報メディアセンター, 教授 (10219321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 綾子 鳴門教育大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (50291498)
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Keywords | 教師教育 / 教員研修 / 遠隔学習 / インタラクション / コース設計 |
Research Abstract |
研究初年度である平成21年度は,次の2点の研究に加え,遠隔学習コースの開発において実践事例として扱うことが可能な複数の実践研究を併せて遂行した。 研究a.現職教師の「働く場」での教育改善を可能にするコンテンツの構成:「スキーマ理論を応用した教材開発」を援用し,On-Campusの現職教師大学院生を対象とした調査を実施した。コースによる教授の後,集団で討議しながらスキーマ理論に基づく教材・授業の開発プランを立案する課題を行い,その過程で,教職経験に基づく知識と新たに学んだスキーマ理論とがどのように結びつき,活用されうるかについて,自分自身の過去の実践を整理・再構成することができるか(整理可能性),学習した内容に基づく実践を構想することができるか(構想可能性)の2つの観点からデータを収集した。概ね,遠隔学習時と同等の結果が得られたが,発話記録の分析を進めている。 研究b.インタラクションに伴う存在感の形成・変動過程の分析と記述:研究協力者が所属する教育委員会で,これまでに開講した「スキーマ理論を応用した教材開発」遠隔研修において蓄積されたデータの分析を行った。遠隔学習コースの実践における「共同体意識(interaction with peers)」の形成と維持に関する運勢ライン法(調査用紙に記載されたイベントの時系列に沿って,自分自身の心情の変化をグラフ化する方法)およびインタビューによる調査からは,共同体意識が学習の進行に伴って向上することが示された。また,互いに自分の授業案を説明し,意見交換する対話の中で,参加者が互いに授業作りに積極的であることが理解されることが「仲間」であることを認識する手がかりとなっていることが示唆された。
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Research Products
(8 results)