2009 Fiscal Year Annual Research Report
英語リーディング及び音読用CALL教材の提示法の違いによる認知効果の検証
Project/Area Number |
21500949
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
神田 明延 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 准教授 (10234155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯舟 英一 東洋大学, 総合情報学部, 准教授 (70339208)
鈴木 政浩 西武文理大学, サービス経営学部, 講師 (10316789)
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Keywords | 外国語教育 / CALL / 教材・教具 / 認知科学 |
Research Abstract |
CALL(Computer Assisted Language Learning)環境を利用して特定ソフトウェアにより、英語リーディング教材の提示法の違いが下位レベルの学習者の読解速度と理解度に及ぼす影響について、実際の英語授業クラスにおいて実験群と統制群を組んで、速読及び音読訓練の処遇を実施して測定する計画であった。しかしながら、実施したCALL教室の不具合や機械的なトラブルによって有効なデータを得ることができなかった。しかしながら、以前からの準備研究で行なってきた脳科学的な検証結果については、新たに解析・分析を継続して研究発表に至り、一定の評価を得た。具体的にはソフトウェアによって画面上で、チャンクを順次表示させて読んでいく訓練を行い、毎回の脳血流の状態を「光トポグラフィー」(ETG-4000、日立メディコ)を用いて記録した。その結果、トレーニングの初期では、ブローカ野とウェルニッケ野の血流量がテキストの難易度に応じて同時に増減を示す傾向にあったが、トレーニングが進むにつれ、2つの領域が選択的に活性化されるように変化した。このことから、初級者でもチャンク読みの方略を繰り返すことによって、脳部位を選択的に活性化し、速読のために脳を最適化できる可能性が示された(湯舟、田淵、神田、2009)今後はさらに被験者数を増やし、実験方法を検討していくべきであろう。他方、長年の懸案であった速読提示法研究を活かした英語CALL教材の作成については、成果が見られた(湯舟他、2010)。イラストを用いて「文法をイメージする」ことと、「英文をチャンクで理解する」という方法を組み合わせた新しい学習法により、センテンス単位に拘らず、意味の塊ごとに直読直解させる教材であり、読解スピードと意味理解の向上が期待される。今後は音読効果研究の成果を盛り込んだ教材作成が課題である。
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Research Products
(10 results)