2011 Fiscal Year Annual Research Report
英語リーディング及び音読用CALL教材の提示法の違いによる認知効果の検証
Project/Area Number |
21500949
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
神田 明延 首都大学東京, 大学教育センター・人文科学研究科, 准教授 (10234155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯舟 英一 東洋大学, 総合情報学部, 准教授 (70339208)
鈴木 政浩 西武文理大学, サービス経営学部, 講師 (10316789)
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Keywords | CALL / リーディング教材 / 提示方法 / 読解効率 / 音読 / チャンク |
Research Abstract |
本年度の研究目的はCALL環境における英語リーディング教材の提示法が、下位レベルの学習者の読解速度と理解度に及ぼす影響を分析して、チャンクによるどのような提示方法が学習者の認知的負担を軽減し、理解と記憶を増進するかを明らかにすることであった。また音声を発することが、果たして読解を阻害するかということも懸念として検証することとなった。それを受け、昨年度からの発展として、実験群として同教材の音声訓練を処遇とするクラスを設定し、黙読による速読を処遇とするクラスと対比することで、プレ・ポストテストの定量的データと内省アンケートによって効果測定を行った。具体的な音声訓練としては、短い英文の一節を、提示ソフトウェアにて一斉・個別に音読、リピーティング、シャドーイングなどを行わせるものである。前期・後期の各学期において、この音読と速読の処遇において双方にプレ・ポストテストで成績の伸びを確認できたが、両者で読解効率やWPMで目立った有意な差異を見出すことができなかった。そこで、質的な分析として、被験者を当初WPMが低い者、読解スコアが低い者、及びその両方の者に、グルーピングして、その者達が処遇を経てどのようにWPMやスコアを推移させたかを検討した。その結果、音声処遇で一斉に発生する実験群では、それらの被験者は大きくWPM,スコアを上げた者が多かった。これにより、一定の音声・文字提示で声を出すことが、認知の負担とならず、読解を阻害するとは必ずしも言えないことが確認された。しかしながら、所期の目的の一つである、読解から聴解への転移効果は確認できていないので、さらにチャンクによる読解、音声に関する処遇の問題点を洗い出す必要が課題となった。
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Research Products
(10 results)