2010 Fiscal Year Annual Research Report
VR実験室を共有する初等力学の体験型協調学習支援システム
Project/Area Number |
21500950
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
松原 行宏 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (30219472)
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Keywords | 教育工学 / 人工知能 / バーチャルリアリティ / 反力デバイス / インタフェース |
Research Abstract |
平成21年度に2人の学習者で仮想環境を共有する(同時にオブジェクトを操作)プロトタイプシステムが完成している.本年度は本システムを用いた学習実験を行い学習効果について検証を行った.具体的には4名の被験者(大学院生,2名づつの2グループ)を選定し実験を実施した.その結果,体験を伴う学習の効果が見られると同時に,協調学習による役割分担と学習促進の一定の効果を確認することができた.また平成21年度に作成したプロトタイプシステムは2人で仮想環境を共有するものであったが,平成22年度ではこれを3人以上の学習者で共有できるように拡張した.具体的には,対象教材として盤面を用いた初等力学の題材に着目し,3人で盤面に対して様々な位置で力をかけることができる環境を構築した.学習者らが力のつり合いの分野に関して,体験を通した仮説の設定,実験による検証,法則の発見などの方法で知識を習得することを支援するプロトタイプシステムが完成した.本プロトタイプシステムを用いることにより,学習者らは力のつり合いの公式に関して,操作と状態変化の因果関係を理解し,振る舞いと因果関係に内在する規則を学習できると考える.対象者は,未修学習者,初修学習者,既修学習者全てであり,未修学習者は対象題材に対して興味を持ってもらいながら体験を行うことができるようになった.初修学習者は学習シナリオにそった実験が可能となり,既修学習者は,複数人数が同時に環境に作用することによる状況の複雑さを伴う新たな体験が可能となった.23年度は実践を通して本拡張システムの評価を行う予定である.
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