2009 Fiscal Year Annual Research Report
メディア認知の意識化を組み入れた批判的思考力育成プログラムの開発
Project/Area Number |
21500960
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
後藤 康志 Niigata University of Health and Welfare, 健康科学部, 講師 (40410261)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 孝至 新潟大学, 理事・副学長 (20018823)
黒上 晴夫 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20215081)
|
Keywords | メディアリテラシー / 批判的思考 / メディア認知 / 教育プログラム / 多重対応分析 / メディアに対する態度 / メディア日記法 |
Research Abstract |
本課題ではメディア認知の意識化を独立変数とし、批判的思考を従属変数とした実践研究を通し、メディア認知の意識化という処遇が批判的思考を高めるかを検証することを目的とする。初年度である平成21年度では、(1)批判的思考尺度(CT尺度)の検討、(2)メディア認知の意識化を組み入れた批判的思考育成プログラムの試行を行った。 第一に、開発済みのCT尺度(後藤2007)を事前事後テストで用いるために、再検討を行った。15のサブカテゴリーに対する判定を多重対応分析(質問に対する回答のパターンに注目し,パターンの類似性で回答者を分類する手法)を用いて分析することで、事前・事後評価に利用できる可能性が示された。一方、イナーシャの寄与率と解釈可能性から3次元解を採用したものの普及を考えると2次元解が望ましいこと、現職教員に実際にCT尺度による評価を試行してもらったところサブカテゴリーの整理が求められたことから、22年度においても継続してCT尺度の改善に取り組むこととした。 第二に、メディア認知の意識化の試行として授業日記法(浅田,1998)と生活時間調査(NHK放送文化研究所,2007)を組み合わせたメディア日記法,生田(2003)の絵画投影法を用いたメディア態度による省察を試行した。このメディア認知の意識化を開発済みの批判的思考育成プログラムに組み入れ、1群事前事後テストデザインによる予備実践を実施した。批判的思考力についてはCT尺度の評価を、メディア認知の意識化については自由記述データを収集した。メディア日記法を行うことによって学習者はインターネットへの依存や文字メディアに対する距離といった無意識の自己のメディア行動を見直すことが示唆された。 22年度においては、サブカテゴリーを簡略化したCT尺度の評価やメディア態度のよる省察の結果を踏まえメディア認知の意識化プログラムを改善し、意識化群と非意識化群の不等価2群事前事後テストデザインの実践を行う。
|
Research Products
(17 results)