2010 Fiscal Year Annual Research Report
メディア認知の意識化を組み入れた批判的思考力育成プログラムの開発
Project/Area Number |
21500960
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
後藤 康志 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40410261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 孝至 新潟大学, 理事, 副学長 (20018823)
黒上 晴夫 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20215081)
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Keywords | メディア・リテラシー / 批判的思考力 / メディア認知 / 自由記述 / 評価の一致度 / メディア日記法 / 省察 |
Research Abstract |
本研究はメディア認知の意識化の処遇によりメディアに対する批判的思考を促進する教材プログラムを開発することを目的としている。 1.メディア認知の意識化の手法としてのメディア日記法の採用 メディア認知を「自分はどのような目的で、どのようなメディアを選択する傾向があるか、困難に感じるかについて、学習者自身が知覚すること」と捉える。手法としてはメディア日記法(学習者が一定期間自らのメディアの接触時間と利用目的を記録し、省察する方法)に焦点化した。結果として「文字メディアに消極的な学習者ほど、文字メディアの接触の不足を指摘する」といった具合に、期待する省察がなされることが分かり、メディア日記法がメディア認知の意識化の手法として利用できることを明らかにした。 2.4×4マトリックスによるメディアに対する批判的思考力の測定 21年度に開発した15カテゴリーの批判的思考力尺度の改善を行った。コレスポンデンス分析におけるイナーシャの寄与率の改善及び利用の簡便さから、15カテゴリーを「信頼できる情報源の利用(方法)」「情報の正確さを確かめるために必要な情報(内容)」「一般的批判的思考」各2ずつの6カテゴリーに簡略化した。この尺度を用いてメディア・リテラシー教育実践を受講した大学生の事前事後を比較した。結果として、事後において適切な方法や内容を記述できるだけでなく、コレスポンデンス分析によって内容×方法の2次元上に学習者が布置され、視覚的にも把握しやすくなることが分かった。一方、教材パッケージでは簡便な処理が望ましいこと、学習者自身が自己評価するのも有効なことから、方法4段階、内容4段階で評定し、4×4のマトリックスで評価する簡便法を考案した。3名の現職教員から別々に評価してもらい、一致度を手がかりとして尺度を改善した。 23年度はこれらを教材パッケージにまとめる。
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Research Products
(16 results)