2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21501005
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大内 俊二 中央大学, 理工学部, 教授 (00185191)
|
Keywords | 降雨侵食実験 / 隆起 / 隆起速度 / 閾値 / 山地形成隆起 |
Research Abstract |
前年度に完成した実験装置を用いて隆起を伴う降雨侵食実験を行った。降雨装置に新しい噴水ノズルを採用したため、安定した降雨が得られるまでノズルの位置や角度を調整するのに手間取ってしまったが、平均降水量約40mm/hで何とか比較的ではあるが安定させることができた。砂山はこれまでの実験と同様、細砂とカオリナイトを重量比10:1で混合した材料を用い、上面60×60cmの隆起装置のケースに詰め、締め固めた。透水係数は平均2.57×10^<-4>cm/sであった。堆積の場として砂山の周りに10cmの幅の余裕を設け、堆積を含めた地形形成面を80×80cmとした(計測範囲は78×78cm)。最初の実験として、72時間まで約5mm/hの速い隆起を与え、それまでの実験から推定されていた隆起速度の上方閾値の存在を確かめることにした。隆起する砂山は侵食を受けながら隆起とともに上昇し、72時間後には明確な山地に成長した。隆起終了後は、これまでの実験での隆起を与えない場合と同様の侵食が進み、平均高度が指数関数的な低下を示した。新しい実験条件においても、5mm/hの隆起は急速であり、上方閾値を超えて、砂山周りの堆積条件にかかわらず上昇が進む、山地形成隆起の範囲(mountain building phase)に達していたことが明らかであった。次回の実験では3mm/h程度の隆起を与え、この閾値の存在をより明確にしていくつもりである。
|