2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21501005
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大内 俊二 中央大学, 理工学部, 教授 (00185191)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 降雨侵食実験 / 隆起速度 / 閾値 / 地形発達段階 / 斜面崩壊 / 流水侵食 / 平衡状態 / 山地発達 |
Research Abstract |
実験地形の発達は、隆起速度の閾値によって、流水による侵食が卓越して侵食に対する抵抗性を反映した起伏が形成されて安定する特徴的起伏段階、起伏が成長して斜面がある限度に達すると崩壊することが繰り返される平衡状態段階、隆起が侵食を上回り山地が発達する山地成長段階の三段階に分けられる。本年度は、上方閾値の存在と平衡状態段階での斜面プロセスの状態を確認することを主な目的に、降雨量約80mm/h、隆起速度を約5.0,2.0,0.1mm/hとした実験を行った。隆起速度5.0mm/hでは、起伏が隆起とともに上昇して高度の大きな塊状の山地が形成され、この隆起速度が上方閾値を越えていることを示した。隆起速度2.0mm/hでは、隆起とともに上昇した起伏が、隆起継続中に緩やかな上昇傾向に転じ、隆起終了時176h(総隆起量354mm)では約113mmとなった。隆起が続行していれば、これまでの実験から推定された起伏限界約140mmに達するまで上昇したと考えられる。隆起速度0.1mm/hでは、隆起ともに上昇した起伏が1000 hあたり(約85mm)で急速に低下し、その後また上昇傾向を見せた。どちらの場合も、起伏が一方的に増加しなくなる頃から平均高度がほぼ一定となり、平衡状態段階と考えられる。 斜面崩壊は、急斜面であれば高さにかかわらず各所に起こる小規模な崩落と、斜面が発達した段階で引き金現象をきっかけに集中して起こる大規模な地滑りとの2種類が確認できた。大規模崩壊は、隆起が速ければ頻度が高く、平衡状態段階において起伏に上限がある主因となる。隆起速度が上方閾値を越えると、大規模崩壊で起伏が制限される前に、実験条件に規定される山地発達限界に達するのであろう。隆起速度0.1mm/h場合は、大規模崩壊が起こるまで斜面が発達する前に崩落と流水侵食による低下が隆起と釣り合って、起伏上限が低くなったと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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