2010 Fiscal Year Annual Research Report
季節海氷域の氷厚グローバルマッピングおよび数値海氷モデルへの応用
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21510002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
豊田 威信 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (80312411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江淵 直人 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10203655)
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Keywords | 海氷 / 季節海氷域 / 氷厚分布 / リモートセンシング / 合成開口レーダー / 氷盤の大きさ分布 / 数値海氷モデル / 極域気候監視 |
Research Abstract |
今年度は主として昨年度に開発した氷厚推定アルゴリズムの検証を目的として、(1)現場データの取得および解析、(2)過去に取得したデータの解析、(3)論文の執筆などに取り組んだ。(1)に関してはオホーツク海および北極海グリーンランド北方で電磁誘導法(EM)による氷厚観測を実施し、ALOS衛星PALSARによるL-band SARの後方散乱係数分布と比較検証を行った。オホーツク海に関しては特に2010年1月~3月の氷況に着目し、昨年度開発したPALSARから氷厚を計算するアルゴリズムを用いてオホーツク海南部の氷厚分布を見積もり、氷厚の季節変化の再現性について検証した。気象データセットERA-interimを用いて計算した氷厚発達、それに2月上旬に現場で採取したデータと比較した結果、これらのデータは比較的良く合致し、アルゴリズムは季節変化や年々変動にも適用可能であることが確かめられた。更にこの手法が多年氷域でも適用可能なのかを調べるためにグリーンランド北方のリンカーン海でも氷厚・表面凹凸・PALSAR後方散乱係数の比較検証実験を行い、比較的有望な結果が得られた。(2)に関しては、2007年に東南極海で得られた詳細な現場観測の結果を吟味した結果、我々のアルゴリズムの前提となる表面凹凸と氷厚の相関性を確かめることができた。(3)に関しては、東南極海で得られた現場検証の結果およびオホーツク海で得られたPALSARから氷厚を見積もるアルゴリズム、それに(1)の結果について論文を執筆した。このように昨年度開発した氷厚アルゴリズムの適用性が確認できたことに加え、オホーツク海の2010年冬季の海氷漂流速と密接度のデータセットを作成できたので海氷厚分布の広域マッピングおよび数値海氷モデルの検証を行うための準備を整えることができた。
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