2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境中に放出された環境負荷物質の連続濃縮と同時モニタリング
Project/Area Number |
21510003
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
北爪 英一 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (00186248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 陽之助 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90048520)
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Keywords | 高速向流クロマトグラフ / 環境負荷物質 / 濃縮 / モニタリング |
Research Abstract |
河川水などの環境水中に放出されたプラスチック可塑剤や界面活性剤、また食品中の残留農薬などの濃縮やモニタリングを目的として、高速向流クロマトグラフ(HSCCC)を試作、研究した。今年度はカラムへの目的物質を濃縮しながらその一部分を取り出し、モニタリングが可能になるようにカラムおよびチューブ形状を最適化した。高速向流クロマトグラフカラム内で起こる、二相の相反する方向への移動を利用して、試料を濃縮しつつ、抽出した成分のみを連続的に取り出して調べる方法は、原理的には可能であるとされていたが、一部の試験的な試みを除き、未だ実用的なレベルで実現されているとはいえなかった。そこで本研究では、従来の装置では得られない高い信頼性と高効率でオンライン濃縮が可能なカラムを設計、製作することにより、環境水中の汚染物質の量やその安定性、また化学形態変化についての知見を連続モニタリングを通して得ることを目的として研究を進めた。装置自体はほぼ完成し、組み上げることができたので、装置内に設置した小型CCDカメラを活用し、液相-液相、あるいは液相-気相間の二相における動力学的な平衡状態の解析を行った。その結果、非常に高い効率で濃縮できるポンプ流速やカラム回転数の最適条件があることを見出した。また、カラム中に存在する微量の界面活性物質の挙動が、回転数のわずかな増減によって大きく変化することを見出し、本装置が微量の界面活性剤の検出装置としても利用できる可能性があることが分かった。本研究で得られた成果は国内学会における招待講演やフランスおよびイギリスで開催された国際学会、国際セミナーで発表した。
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Research Products
(3 results)